今、なぜデジタルBPOなのか?  BPOの目的の変化を解説

 公開日:2023年7月26日

自社のリソース不足や、ノウハウがない場合に有効な手段としてアウトソーシングがあります。最近では、中小企業においてもアウトソーシングの利用を活発に行っています。業務効率化やコスト削減を目的とするなら、アウトソーシングは欠かせません。そして、一般的なアウトソーシングより進んだ業務改善を実現する「BPO」をご存じでしょうか。また、更に進化した、人的なリソースで対応するのに加え、システムやツールなどのデジタル技術により業務改善をおこなう次世代「BPO」について解説いたします。

 

目 次

  • BPOとは
  • BPOのメリットデメリット
  • BPOの現在
  • BPOの目的の変化
  • デジタルBPOの目的
  • 新型コロナウイルスにより求められるデジタルBPO

 

BPOとは

そもそもBPOとは

まず、BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略称で、業務プロセスをアウトソース(外部への業務委託)することを意味します。

そもそもBPOは、経理や税務のような専門的かつ高度な処理能力が求められる業務を外部に委託するために誕生した経緯があります。会社の利益を向上させるためには、自社の社員をできるだけ多くコア業務(売上に直接的にかかわる業務)に従事させることが業務効率を向上させるのに効果的とされているからです。

BPOのメリットデメリット

通常の業務委託と比較して、BPOには下記の様なメリットデメリットがあります。

メリット

リソース(人材)の不足の解消

 

少子高齢化からなる労働力の不足が社会問題にもなっていますが、BPOにおいてはリソースを補うだけではなく、専門知識を有しているプロフェッショナル人材が業務を行うため、中小企業における課題、人材不足に対してもスピーディーに対応できます。

 

コスト削減

 

BPOを専門に請け負っている事業者への委託であれば、専門スタッフへの依頼となり、自社で一から教育する手間はなく、人材を抱えるコストを削減できます。

 

専門知識、ノウハウの活用

 

専門の事業者であらば、BPOの対象となる、総務や経理、社内バックオフィス業務に対する知見も豊富であり、多くの企業でBPOを手掛けてきた実績もありノウハウに優れているので、企業内の業務効率化に大きく貢献できます。

 

デメリット

業務を把握した人材がいなくなる

 

BPOは、業務を一括して外部委託できてしまう為大変便利ですが、一方で自社内に業務を全て把握している人間がいなくなってしまう懸念があります。突発的なトラブルがあった時に業務を把握している人間がいないと、対応が遅れてしまうリスクが存在します。

 

臨機応変な対応ができない

 

BPOでは専門的な人材に業務を委託できる強みを持ちますが、細かく内容を変更するには、変更ごとに契約更新が必要になるため臨機応変な対応が難しい側面を持ちます。

 

BPOの現在

 

これまでのBPOでは、業務効率化、コスト削減といったポイントが重要視されていましたが、現在、多くの企業においてBPOは、新規事業の創出やイノベーションにつなげることを目的としています。BPOの変遷と、重要視されているポイントを説明します。

 

BPOの目的の変化

BPOが誕生した背景には時間とコストを有効に活用するという狙いがありました。経理や税務のような専門的かつ高度な処理能力が求められる業務は、社会的な労働力の不足から人材の確保が困難であったり、採用できたとしても一からの教育や引継ぎが必要となり、手間とコストがかかりました。その様な業務機能を外部に委託することで自社の社員をできるだけ多く直接売上につながるような業務に従事させ、経営効率を上げて会社の利益を向上させることができるとされてきました。

コスト削減からイノベーションへ

効率化や高度化を通じて、単なるアウトソーシングから業務改革の最適解としての手段だったBPOは役割を拡大させています。

 

従来のBPOでは、業務効率化やコスト削減といった点が重視されてきましたが、現在のBPOには、新規事業の創出やイノベーションを目的とする企業が増えています。BPOを請け負う事業者は、数多くの企業においてBPOの実績や経験が豊富なため、自社だけでは蓄積できない膨大なデータやノウハウを所有しています。その中から新たなアイデアを創出し、新規顧客獲得、売上の向上につなげられる可能性を見出すことを目的とするように変化してきています。

デジタルBPO

 

イノベーションにつながるBPOの実現のためには、従来のBPOでも効果的ではありましたが、現在では更に進化しています。テクノロジーを活用したソフトウェアプラットフォームの提供、オンデマンドによるBPOサービスの活用といった、従来のBPOとは異なる提供形態、仕組みの次世代BPOを採用する企業も増えています。

デジタルBPOの目的

日本の労働人口の減少により、限られた人材リソースでどのように企業として業績を高めていくかという課題解決のために業務プロセスの見直しを実施してきましたが、、今日におけるデジタルテクノロジー、AIの進化をBPOに取り入れていくことで、BPOも次世代型に進化してきました。

 

新型コロナウイルスにより求められるデジタルBPO

これまでは「労働人口の減少」「コスト削減」「業務効率化」を解決するためのBPOでしたが、新型コロナウイルスの影響による感染防止の為、在宅勤務やテレワーク導入により「人が動けない」という制約が加わりました。これにより業務プロセスの見直しとデジタル化推進の手段としてのBPOに対する注目も高まっています。

 

デジタル化の前提が整っていない企業や業務についても、デジタルBPOをおこなうことで、業務の定型化やデジタル化が推進されるため、BPOに移行するハードルは大きく下がりました。

 

あとがき

 

COMITXでは、各業務プロセスの実行を我々が一手に引き受ける従来のBPOよりも、さらに変革要素の強いサービスです。企業の業務プロセス全体のデジタルシフトを促進するサービスであり、得られるメリットも単なるコスト削減や業務効率化にとどまりません。

デジタル化を通じた業務プロセスの見える化をおこない、デジタル技術を活用することで人的で煩雑な作業を自動化。さらに人がより価値の高い業務を行うことができるよう、人間とシステムのバランスを図り、業務プロセスの最適化を継続的に実現可能なデジタルBPO「COMITX」に、ぜひ注目してください。

記事監修者

渡邉 大介

InfoDeliver COMIT HR事業ユニット
渡邉 大介(Daisuke Watanabe)

大学卒業後、大手新聞社、IT企業にて20数年間、人事・総務部門で給与計算、労務管理、社会保険など幅広く勤務してきました。人事業務のアウトソーシング導入・運用のプロジェクトマネジャーとして、企業様の課題解決に注力いたします。これまで培った知識と経験を活かし、皆さんに様々な情報をお伝えしていきたいと思います。

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